B型肝炎は任意接種のワクチンです。
現在は任意接種で費用がかかりますが、早ければ平成28年度から公費での定期接種になる見込みです。
B型肝炎ってどんな病気?
B型肝炎はB型肝炎ウイルス(HBV)による感染症です。
肝炎や肝硬変、肝がんをおこす感染症で、肝炎を起こすウイルスは「A型、B型、C型、D型、E型」があります。日本ではC型肝炎の次に、毎年約2万人が感染しているB型肝炎が多くなっています。
慢性的に肝炎の状態が続くと、肝細胞が破壊され肝臓が硬くなって疲れやすさと黄だんがあらわれます。肝機能が低下する肝硬変になったり、慢性肝炎や肝硬変から肝がんへと進行する恐れがあります。
そもそも肝臓ってなにをするところ?
肝臓は日常生活で全体の20%ほどしか使われていません。
ある程度の障害をうけても、代償作用が働いて元に戻ることができます。肝炎や肝硬変になっても、自覚症状がないことが多いため「沈黙の臓器」とも呼ばれています。
肝臓の機能
- 糖質、たん白質、脂肪、ビタミンなどを体内で使える形に変え貯蔵し、必要なときに代謝する
- 血液中のアルコールや薬、毒物などを分解し解毒
- 出血を止めるための蛋白をつくる
- 老廃物の排出や脂質の消化吸収を助ける胆汁のをつくる
感染経路
B型肝炎ウイルスは、ほかの型よりも血液中のウイルス量が多いためうつりやすいといわれています。感染経路には「母子感染」「水平感染」がありますが、赤ちゃんの場合は感染経路が不明の場合が多いのです。
母子感染
B型肝炎を持った母親からの分娩のときに赤ちゃんにうつるのが母子感染です。
現在は「B型肝炎母子感染防止事業」という国の事業で、生まれてきた赤ちゃんには予防策がとられています。抗HBs人免疫グロブリンという注射とB型肝炎ワクチンを併せて投与します。
保険適用で無料で受けることができます。
水平感染
だ液や血液、汗や涙などの体液で感染します。
子どもへの感染予防には
- 噛み砕いた食べ物を赤ちゃんに食べさせない
- 歯ブラシやカミソリなど、だ液や血液が付着する日用品を一緒に使わない
など、日常生活での注意が必要です。
任意接種だから受けなくてもいいの?
先に述べたように、B型肝炎は感染しやすい病気です。
WHO(世界保健機関)は、子どもが生まれたらすぐにB型肝炎ワクチンを接種するように呼びかけ、ほとんどの国が接種しています。日本では任意接種になっていますが、早ければ平成28年度から定期接種になる見込みとなっています。
赤ちゃんのうちにB型肝炎ウイルスに感染すると、感染後ウイルスが体内から排出されず肝臓に残っている状態「キャリア」になりやすいといわれています。キャリアになると、慢性肝炎を起こして肝硬変や肝がんになる可能性があります。
任意接種だから接種しなくてもいいわけではありません。定期、任意どちらも重要な予防接種です。病院で「B型肝炎の予防接種を受けてください」と言われることはあまりないと思います。
ですから、赤ちゃんを感染症から守るためにママが積極的に病院に聞いて、接種するようにしましょう。
B型肝炎ワクチンの接種【任意接種】
B型肝炎ワクチンは不活化ワクチンです。
予防接種のスケジュール
全部で3回接種します。
1回目の後、4週間以上の間隔をあけて、2回目を接種、1回目の5〜6ヶ月後(20〜24週後)に3回目を接種します。
B型肝炎ワクチンの費用
費用は3,000円〜6,000円と病院によってさまざまです。
我が家は引越しをしたので途中で病院が変わったのですが、初めに行った病院は4,000円で、引っ越し後に行った病院では5,100円でした。
B型肝炎ワクチンの副反応
- 発熱
- 発赤
重度の副反応は極めて低いとされています。
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