先日、すくすく子育てでおなじみの大豆生田 啓友先生の著書、「マメ先生が伝える幸せ子育てのコツ 今がつらいママたちへ」を読みました。
子どものイヤイヤ期で毎日イライラ……。子育てするのが辛くて苦しかったのですが、大豆生田先生の本を読んで気持ちが少し楽になったので紹介したいと思います。
子どもの心に寄り添う保育
大豆生田啓友先生は現在、玉川大学教育学部で准教授をされています。
幼稚園教諭をされていた頃は「子どもの心に寄り添う保育」を心がけ、子どものことを思うあまり母親に対して「もっとちゃんと子どもを見ましょう」「しっかりお子さんに関わってください」とよく言っていたそうです。
その頃は、ママたちがどれだけ大変な思いをして子育てをしているか、悩みながらも子どもと懸命に向き合っていることを理解していなかった。母親たちの多くが孤立した状況の中で頑張っていることが分かっていなかったんだそうです。
必死に頑張って子育てしているのに、幼稚園の先生にそんなことを言われたら自信をなくして泣きそうになってしまいそうです……。
父親スイッチ
- 週末は(仕事で)たいてい家にいない
- 早く帰ってきたと思ったら、ゴロンとしている
- 子どもがあそぼうと言ってきても、抱っこして一緒にテレビを見ている
大豆生田先生は子どもが生まれたばかりの頃、こんな父親だったそうです。子育ての楽しい部分だけやって「父親している」気分になっていたんだそうです。
「うちもそう!」と思ったママも多いんじゃないでしょうか。ママが思い描く「イクメン」とパパが考える「イクメン」って、結構な差があるんですよね。
そんな大豆生田先生に「父親スイッチ」が入ったのは、次男が生まれたときでした。
大豆生田先生の次男は生まれてすぐに吐血して、NICU(新生児集中治療室)のある別の病院に緊急搬送されたそうです。ママから母乳を預かり、次男が入院している病院へ運んで母乳を飲ませているときに、命が危うかった小さな赤ちゃんが母乳をあげると一生懸命飲んでくれた。そのときに「親になる実感」を覚えて「父親スイッチ」が入ったんだそうです。
赤ちゃんと父親の関わり
大豆生田先生は長男のときも子育てに関わってきたつもりだったけど、心のどこかで「子育ては女性がやるもの」と思っていたところがあったそうです。
ママだって、初めから授乳やオムツ替えがちゃんとできたわけではありません。おっぱいだって全然吸ってくれなくて悩んだり、粉ミルクの適量がわからなくて不安になったり、オムツ替えがうまくできなくてうんちが服についてしまったり、失敗を繰り返して少しずつ母親になっています。
すぐそばにおばあちゃんや親戚など育児の先輩がいなくて、ネットや本で情報を集めて悩みながら赤ちゃんと接しているママはたくさんいます。
「母親だからできてあたりまえ」「母親の方が子育てはうまくできる」それは違います。ママは反省や失敗を繰り返しながら赤ちゃんと接し、少しずつママになっていくのです。
私も赤ちゃんが生まれて3ヶ月くらいは母親になった実感がなく「何かあって死なせてしまったら責められる」と必死で、赤ちゃんをかわいいと思う余裕がありませんでした。でも、毎日赤ちゃんと向き合って笑顔を見せてくれたり、手をギューッと握ってくれたり、そういったことを積み重ねていくうちに、赤ちゃんがかけがえのない存在になっていきました。
子育ての大変さはやってみないとわからない
大豆生田先生は次男が生まれてから家事育児を分担し、ゴミ捨てや朝食作り、次男が夜泣きするときはなるべく起きて面倒をみていたそうです。
1時間に1回泣く赤ちゃんで夜泣きに付き合う経験をして、毎日心も体もギリギリの状態が続くのはとても大変だということに気づかれました。
でも、次男はだんだんのけぞるようにして泣き、その泣き声にイライラするようになりました。そんなことが続いたある晩、気がつくと「こいつは、なんで俺の仕事の邪魔ばかりするんだ!」と思っていました。
かわいいはずの赤ちゃんに腹をたてるようになり気づくと「うるさい!」と、怒鳴っていました。
私も夜の9時くらいに朝イチまでに仕上げないといけない仕事が入ってきて、夜中の2時まで仕事をして1時間おきの夜泣きに付き合って……睡眠時間は細切れで3時間ほど。日中はあぐらをかいて、その上に赤ちゃんを寝かせて仕事をしていました。
赤ちゃんに対して怒鳴ることはなかったけど、心身ともに限界で「もう、死にたい」「楽になりたい」と常に考えるようになっていました。軽い産後うつですね。
寝る時間がない。トイレやご飯もゆっくりできない。自分のやりたいことが何もできない。ママたちは毎日極限状態で必死に子育てをしています。
子育ては保育のプロでもうまくできないことがある
このとき「あー。僕は都合のいい部分だけでパパしていたんだな」と気づいたんです。世の中の多くのママは、こうやって毎日がんばっているんだとわかったのです。
次男を怒鳴るまで、「誰よりも上手に子育てができるはず」と思っていたけど、現実は違った……。理想の父親像とはまったく違う自分に愕然として、どうしようもない自分に落ち込んだそうです。
「すくすく子育て」で、ママの気持ちをよく理解してニコニコ笑顔でやさしくアドバイスをくれる大豆生田先生が、こんな経験をされていたということに驚きました。
大豆生田先生の「大丈夫ですよ」「とてもよく頑張っていますね」の言葉に救われたママも多いと思います。
こういった経験をされているからこそ、その言葉がママたちの心に響くんですね。
まとめ
赤ちゃんの夜泣き、2歳のイヤイヤ期、子育てをしているとイライラしてしまうシーンは多く存在します。
「感情的に叱りつけてはいけない」と言われても、イライラが爆発して怒鳴りつけてしまうと「あぁ、なんてダメな母親なんだ」「周りのママできているのに、なんで私だけできないんだろう」と悩んでしまいます。
でも、「マメ先生が伝える幸せ子育てのコツ」を読んで、「大豆生田先生でも感情的に怒鳴ってしまうことがあったんだ」と、少しホッとしました。
大豆生田先生のやさしい言葉に、最初から最後まで涙が止まりませんでした。「このつらい状況をわかってくれる人がいる」ただそれだけで、心が救われました。
パパにとっても共感する部分、「ハッ」と気付かされる部分がたくさんある本だと思います。ママだけでなく、パパにもぜひ読んでもらいたい一冊です。
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