【四種混合ワクチン】接種スケジュール どんな病気の予防接種? 副反応は?

以前は「ジフテリア」「百日せき」「破傷風」の3種混合だったものが、平成24年11月より「ポリオ(DPT-IPV)」が加わり四種混合になりました。

今回は、四種混合の「ジフテリア」「百日せき」「破傷風」「ポリオ」の病気の内容と、予防接種スケジュール、四種混合ワクチンの副反応をご紹介します。

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四種混合って、どんな病気の予防接種?

4種混合予防接種
四種混合ワクチンは、「ジフテリア」「百日せき」「破傷風」「ポリオ」の予防接種です。あまり聞き覚えのない病気もあると思いますので、それぞれの病気についてご紹介します。

ジフテリア

昔は年間8万人以上の患者が発生していましたが、1981年に三種混合(ジフテリア、百日せき、破傷風)の予防接種が始まったことで、今では年間の患者数は0〜1人と減っています。

ジフテリアは、せきやくしゃみなどで飛沫感染することで起こります。ジフテリアに感染しても症状が出るのは10%程度の人で、残りの人は症状は出ませんが、保菌者となってその人から感染することがあります。

主に喉に感染し、高熱、キャンキャンと犬の鳴き声のような咳、のどの痛み、嘔吐などの症状で、偽膜と呼ばれる膜ができて窒息死することがあります。発病してから2〜3週間後に、菌の毒素によって心筋障害や神経麻痺をおこすことがあります。

ジフテリアにかかると、10%程度の方が亡くなるといわれています。5歳以下や40歳以上の人は重篤になりやすく、最大で20%の方が亡くなるといわれています。

百日せき

1948年に百日せきの予防接種がはじまってから、患者数は減少してきています。

百日せきは飛沫感染し、風邪に似た症状からはじまります。その後、咳が10秒以上続くようになり、顔がまっ赤になるまで咳き込むようになります。咳のあと急に息を吸い込むため、笛を吹くような音がでます。

乳幼児は咳で呼吸ができなくなるため、全身が青紫色(チアノーゼ)になったり、けいれんを起こすことがあります。また、窒息や肺炎、脳症等の合併症で、一歳以下の乳児、とくに生後6ヵ月以下の子どもは、亡くなってしまうこともあります。

破傷風

破傷風は土の中の菌が傷口に入ることで感染します。人から感染することはありません。

破傷風に感染すると、顔の筋肉が動かしづらくなって「口が開きにくい」「あごが疲れる」などの症状がみられます。歩行や排尿・排便の障害などが起こり、最後にはけいれんを起こして、息ができなくなって亡くなることもあります。

患者の半数が、本人も気づかないような小さな傷口から感染しています。

ポリオ

ポリオは「脊髄性小児麻痺」と呼ばれ、1960年代まで多くの患者がいましたが、今は予防接種のおかげで国内での自然感染は報告されていません。

感染した人の便の中に排泄されたウィルスが口から入って、のどや腸でウィルスが増えていきます。ポリオウィルスに感染しても多くの場合は無症状ですが、5%ほどの人にのどの痛みや発熱などかぜに似た症状があらわれます。

子ども(特に5歳以下)がかかることが多く、1,000人に1人が麻痺などの後遺症を残すことがあります。麻痺性のポリオを発症した場合は、2~5%の子どもが亡くなってしまうといわれています。

四種混合の予防接種【定期接種】

「ジフテリア」「百日せき」「破傷風」「ポリオ(DPT-IPV)」の4種類の混合予防接種です。
定期接種の予防接種で、Ⅰ期で四種混合を4回。Ⅱ期で二種混合を1回接種します。

四種混合の予防接種スケジュール

日本小児学会推奨スケジュール
4種混合予防接種スケジュール
Ⅰ期は生後3ヶ月〜7歳半までの間に、20日〜56日の間隔をあけて3回接種します。追加接種を12ヶ月〜18ヶ月を経過したころに1回、四種混合を接種します。
はじめの接種が遅れると、その後の追加接種も遅くなってしまうので、生後3ヶ月を迎えたら受けるようにしてください。

Ⅱ期は11歳〜13歳未満の間に1回、二種混合の予防接種をうけます。

四種混合ワクチンの副反応

主な副反応として

  • 接種部位の発赤、はれ、しこり
  • 発熱
  • 気分変化
  • 鼻水
  • せき
  • 発疹
  • 食欲減退
  • のどの赤み
  • 嘔吐

などがみられます。

重大な副反応として、三種混合で報告されていたアナフラキシーショック様症状、血小板減少性紫斑病、脳炎、けいれんなどがきわめてまれにみられます。

※一部、こどものための予防接種のしおり(平成26年版)より引用・改変しています。

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