肺炎球菌ってなに?
肺炎球菌は細菌によってかかるヒブ(Hib)と並ぶ、感染症の2大要因です。半数が1歳未満でかかり、それ以降は年齢とともに少なくなります。
ただし、5歳未満までは発生することが多く、乳幼児での発生は特に注意が必要です。
集団生活が始まると、多くの子どもが鼻の奥に肺炎球菌を持っていて、かぜなどで抵抗力が落ちるとさまざまな病気を引き起こします。
初期は、かぜとよく似た発熱、嘔吐、下痢などの症状が出るので、髄膜炎と診断できない場合があります。進行が早い病気なので、1晩のうちに様態が急変することがあるので注意が必要です。
肺炎球菌の主な症状
- 細菌性髄膜炎
- 肺炎
- 中耳炎
- 敗血症
- 気管支炎
- 副鼻腔炎
- 関節炎
- 骨髄炎
治療が遅れると重篤な症状を引きおこすことがありますので、特に2歳以下の子どもには注意が必要です。
細菌が脳や脊髄(せきずい)を包む髄膜の奥にまで入って炎症を起こす「髄膜炎」になった場合は2%の子どもが亡くなり、生存した子どもの10%に後遺症を残すといわれています。
後遺症
- 難聴
- 精神発達遅滞
- 四肢麻痺
- てんかん
小児用肺炎球菌ワクチンの接種【定期接種】
小児用肺炎球菌ワクチンは不活化ワクチンです。5歳までは無料で接種できますが、2ヶ月になったら早めに予防接種に行きましょう。
予防接種のスケジュール
標準スケジュール
生後2ヶ月~7ヶ月未満の間に接種を開始します。
2ヶ月になったらすぐに接種するようにしてください。
予防接種後、27日以上の間隔をあけて、3回接種します。
3回目の接種後、60日以上の間隔をあけて、1歳以降に1回追加接種します。
標準スケジュールから外れた場合
生後7ヶ月~1歳未満に接種を開始した場合
27日以上の間隔をあけて、2回接種します。
2回目の接種後、60日以上の間隔をあけて1回追加接種します。
1歳〜2歳未満に接種を開始した場合
60日以上の間隔をあけて2回接種します。
2歳〜5歳未満に接種を開始した場合
1回接種します。
小児肺炎球菌ワクチンの副反応
- 紅斑(84%)
- 膨張・腫れ(69.7)
- 疼痛・ズキズキずる痛み(28.2%)
- 発熱(71.3%)
- 傾眠状態(52.1%)
- 不機嫌(45.2%)
- 不安定睡眠(38.0%)
- 食欲減退(31.4%)
※一部、こどものための予防接種のしおり(平成26年版)より引用・改変しています。
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